トマス・モアの冒険

トマス・モアの大冒険―パスト・マスター

トマス・モアの大冒険―パスト・マスター

崩壊の危機に瀕した世界を救うために過去から一人の男が呼び寄せられて・・というすじとしては普通の話のはずなのに、ラファティが書くとなんともぶっ飛んだ話になってしまいます。とにかく登場人物が個性的というか奇怪な人物ばかりで、それぞれてんでばらばらの主義主張を持っているものだから、次にどんなことが起こるのか全く予想が出来ません。しかし、それでも読みにくいということはないので、不思議なものです。世界の変革が主題で、なおかつ全体的に騒がしく道化じみているせいか、読んでるときの印象がチェスタトンの『新ナポレオン奇譚』に似ていました。チェスタトンよりずっとわかりやすかったですけどね。