トリスタン・イズー物語

トリスタン・イズー物語 (岩波文庫)

トリスタン・イズー物語 (岩波文庫)


 ヨーロッパ中世最大の恋物語、と称される作品だそうです。粋でいなせでおまけに強い完璧な男・トリスタンと、美人で頭もよくておまけに王妃なイズーが、間違って愛の秘薬を飲み交わしてしまい、永遠の愛で結ばれてしまう、というのが話の筋。
 二人にはお決まりの身分の差なんかがあるので、いちゃつくだけで周りに迷惑がかかるんですが、そんなことはお構いなしの非常に迷惑なカップルです。おまけに昔の作品なので、物語は基本的に主人公びいき。どんな騒動を起こそうが、トリスタンはその顔と才覚で許してもらい、トリスタンに敵対するものは神の裁きでゴミのように死んでいきます。後半に行くと、ここにトリスタンとイズーの痴話げんかが入ってくるので迷惑さはさらに増大。二人がやたらとくっついたりはなれたりして、そのつど死人が出たりしている様はなんだか不条理コントのようです。