ホテル・ニューハンプシャー(下)

ホテル・ニューハンプシャー〈下〉 (新潮文庫)

ホテル・ニューハンプシャー〈下〉 (新潮文庫)


読み終わりました。
なんだか、色々起こりすぎるし、詰め込まれたものもかなりの量なので、あらすじとかが巧く説明できません。すいませんが、省きます。
『158ポンドの結婚』とは違い、明るい作品でした。
と言っても、起こる出来事自体は、レイプ、自殺、同性愛、近親相姦、テロ、と遥かに深刻なものが次々と現われてきます。でも、この作品の主要な登場人物は「家族」です。作中でも、「アメリカ人の家族というのは、アメリカ人が溺愛してやまない制度だからな。アメリカ人は家族という概念にいかれているとしかいいようがないよ」という台詞をウィーンのポルノ小説家兼テロリストが吐きますが、まあ、確かにそんな気がします。この話の中では、いかなる困難が起ころうと家族は理解し合い、乗り越えるのです。お互いがお互いを全く理解することが出来なかった、『158ポンド〜』のカップル達とは随分な違いです。
ただ、そんな内容なのに、説教臭いわけでも、押し付けがましいわけでもないので、とても安心して読めました。暇が出来たらまた読んでみたいものです。