幽霊船

幽霊船(魔法の本棚)

幽霊船(魔法の本棚)


表題作の「幽霊船」、あとは「ブライトン街道で」が面白かったです。
特に「幽霊船」は、田舎の田んぼも真中に、嵐とともに巨大な幽霊船が降りて来る、という情景が雄大と言うか、少しぶっとんでいて好きです。作品の雰囲気も、怖いのではなくユーモラスで、そのくせ少し寂寥感を残す独特の感じを持っています。
全編を通して見ると、幻想小説やスリラー風の作品、風刺的なものや私小説などもあって、リチャード・ミドルトンと言う作家はどうやら怪奇作家というわけではないようです。
しかし、この頃の私小説って、なんだか作者は違っても大体同じ内容を書いてるような・・・。空想が好きで、学校が嫌いで、大体いつも一人で・・・ってもう3回ぐらい読んでいる気がします。