空気人形

新宿バルト9で、映画「空気人形」を見てきました。
10月1日はファーストディ。1000円で見れるせいか、平日だというのにほぼ満席。
いやぁ、老若男女様々な方が来てらっしゃいました。
皆さん、素敵な午後のひと時を過ごしたくて、カップルやら学生同士やら奥様同士やら集まっているわけですね。
「空気人形」というセンスの良さ気なタイトルに、いかにも綺麗な作品ですよって主張してくる可愛い女優のポスター。
オサレな感じじゃないですか。オサレで素敵で感動するような作品をみんな期待して見に来てるんですよね。


でも、皆さんちょっと待ってくださいよ。
新宿にぶらっと来てなんでもいいから映画を見ようかな、とか、とりあえずみんなで集まる口実に、とか、そういう気持ちも分かりますけど、自分の見ようとする映画のあらすじくらい、まず確認してもいいんじゃないでしょうか。
何しろ、僕達がこの館内で見ようとしている作品は、
「独り身男に買われたダッチワイフに心が芽生え、他の男に恋をする」って話ですよ。
ホントにいいんですか?見た後、どんな気持ちで一緒に来た恋人・友人・家族と顔を合わせることになるのか想像されてますか?退席しないでいいんですね?もう、はじまっちゃいますよ?


・・・ああ、僕は見終わった後の、館内のあの沈黙を忘れません。
隣にいたカップルも、道向かいにいた奥様方も、一緒に来た先輩と僕も黙っていました。
面白い。凄い。のですが、あれは、ポスターから連想されるような可愛い作品ではなく、僕が予想していたような単純な「男二人とダッチワイフの三角関係の話」でもなく、もっともっとアクの強いものでした。
なんといいましょうか…「『アメリ』を見に来たと思ったら『乱歩地獄』だった」ような感じですかね。
もはや、どんな人間を喜ばせようとしているのか分からない「面白さ」がありました。
これから、誰かと一緒に行く予定のある方は、鑑賞後お連れの方との関係がどんな展開にをなるのかをよく考えてから行かれた方がいいかと思いますよ。
でも、何度も言うように面白いですよ。ホントに。

ゴーダ哲学堂空気人形 (ビッグコミックススペシャル)

ゴーダ哲学堂空気人形 (ビッグコミックススペシャル)

原作も読みましたが、20P程の短編です。監督、膨らませ過ぎですって。