『本の雑誌血風録』

本の雑誌血風録 (朝日文庫)

本の雑誌血風録 (朝日文庫)


椎名誠の『本の雑誌血風録』を読む。
その名の通り、椎名誠と愉快な仲間たちが『本の雑誌』を発行して、会社を作るまでの顛末を書いた、(大体)ノンフィクションな小説。知り合いを頭の中でシミュレートして勝手に書いた「一人座談会」や、著者の大らかな性格から来る「記憶違い」が多々あるので、なんでもかんでも鵜呑みにも出来ないけど、その適当さも面白い。
酒の席で出た話から同人誌的なノリで一つの雑誌を完成させ、なんとかなるさと倍々倍に刷り部数を増やして、配る人手が足らないからとバイトを雇って、本を置く場所がないからとオフィスを借りて、ここまでやったならと会社を作って、どんどこどんどこ進んでいく著者とその仲間たちの姿はかなり「アツい」。読んでると、なにやら腹の中からふつふつと「何かせねば」というエネルギーみたいなものがわいてくるような気がする。ただ、僕は寝ると気分が変わっちゃうから、結局何もやらないんだけどね。