名作平積み大作戦

を見ました。前にも書きましたが、第1回のお題は「“電車男”を応援した人にオススメの名作」。期待と不安の両方を抱きつつ見たんですが、どうやら不安の方が正しかったようで、同社の「ためしてガッテン」みたいな乗りの番組でした。
今回紹介された作品は武者小路実篤の『友情』とスタンダールの『赤と黒』。双方プレゼンテーターが出てきてジョークを交えつつ一生懸命紹介します。曰く、『友情』の描かれた時代において手紙や同人誌は現在の掲示板と同じ役割をしていた。曰く、『赤と黒』の主人公は電車男とは似ても似つかないように見えるけれど、両方とも彼女いない歴が自分の年齢とイコールなんだよ。などなど、確かに繋がるところはあるんですが・・・やっぱり、なんだかずれているような・・・。『電車男』の持つノンフィクションという特性にはまったく触れずに、フィクションの作品のみを紹介していますし、プレゼンを聞く限りでは『友情』も『赤と黒』も『電車男』とは読んでいる時に感じるものが大分違うように思えました。どうも、自分たちの好きな本を何とかして人に読ませるために、無理やり理屈をこねて繋げているみたいなんですよね・・・まるで、友人に本を薦めている僕みたいに・・・。
確かに、人に本を薦めるのは難しいことです。たとえ今回の『電車男』のような題材があったとしても、その本のどこに興味を持ったかは人によって大分違うと思うので、焦点を絞るのは簡単ではありません。でも、だったら、もう少し広い範囲に目を向けて本を探してきて欲しいです。古典や文学に目の行っていない僕が言うのもなんなんですが・・・いくら名作って言ってもこれではちょっとひねりがなさ過ぎでは?

あ、あと番組の後に今回紹介した本を3ヶ所の書店で『電車男』の脇に平積みして、6日間でどれだけ売れたかという数値が出てきました。結果は、3店の合計でも『赤と黒』が5冊、『友情』は5冊くらいだった気がします。平積みをしてなおこの売上。たしかに、こうでもして紹介しないと危機的ですね。