新ナポレオン奇譚

 G・K・チェスタトン著/高橋康也、成田久美子訳 春秋社
ユーモアに関する話だったのかな?ユーモアとは社会や習慣という土台があって初めてユーモアとして成立し、違う土台を持っている者は違う意味として解してしまうし、土台自体が変化してしまえば冗談が情熱的な演説へと変化する。と、こんなメッセージを持つ話に読めました。作者と作品に関してまったく情報の無い状態で読んだので、出てくる地名や人物、引用などがどういう意味を持つのか分からず、肝心のユーモアですら後になってやっと「あぁ、こういう意味だったのか」と分かる、という始末でした。それでも、後半にもなれば慣れるもので、面白おかしく読めました。そして、最後は作品に溢れるユーモアに意味を持たせる見事な結末。あぁ、勉強不足が恨めしい。