耳ラッパ

耳ラッパ―幻の聖杯物語

耳ラッパ―幻の聖杯物語

耳ラッパとは昔の補聴器みたいなものらしいです。
友人から耳ラッパを貰った90くらいのお婆さんが、家でそれをつけて久しぶりに家族の話を聞いてみると、自分に対する悪口と自分を老人ホームへ送る相談でした、という黒い始まり方をします。ここらへんの老人に対する冷たさは、日本だろうがイギリスだろうが変わらないみたいですね。みんなろくでなしですね。
お婆さんはそのまま老人ホームに送られるんですが、話のスケールは、何故かそこからどんどん拡大していき、聖杯探求伝説や魔女伝説などを織り交ぜつつ、最終的には天地崩壊にまで辿りつきます。ただ、そのどんどん飛躍していく想像力に、僕は感覚的についていけませんでした。それに、神話とか呪術とか、あんまり知識を詰め込んだ話って好きになれないんです。