M・R・ジェイムズ怪談全集2

M・R・ジェイムズ怪談全集〈2〉 (創元推理文庫)

M・R・ジェイムズ怪談全集〈2〉 (創元推理文庫)


英国怪奇の御三家の一人、M・R・ジェイムズの怪談作品集。
2巻といっても、ジェイムズの作品は大体長さも展開も同じようなのが多いので、なんだか前にも読んだような・・・という作品が多いです。「マグナス伯爵」や「笛吹かば現われん」など作者の名作と言われるような作品は1巻に入ってしまっているので、正直そっちだけ読めば十分のような気もします。
ただ、定型とはいえ、面白いものが揃ってはいます。特に、本書に収録されているものでは「失踪綺譚」と「呪われた人形の家」がいいです。
「失踪綺譚」は事件の真相が夢によって暗示されているという少し凝った作品。ラストで死体が現われるシーンが衝撃的です。
「呪われた人形の家」は、筋立ては1巻の「銅版画」とほとんど変わるところはありませんが、「銅版画」のおどろおどろしさに代わって綺麗な印象を受ける作品になっています。
でも、やはり最後の「拾遺篇」とか「未刊作品」の章になると飽きがきますね。眠くなりました。