『デス博士の島その他の物語』トークショー

に行って来ました。昨日。
ゲストは『デス博士〜』の翻訳者・柳下毅一郎さんに、同じく未来の文学シリーズ『エンベディング』の翻訳者・山形浩生さん。
トークショーの副題は「SFに何ができるか―ジーン・ウルフを語る」でしたが、ゲストのお二人はすっかり忘れて、というか山形さんに至っては副題については全く知らないで、SFというよりジーン・ウルフについて語っていました。
しかし、「作品の世界がすごく綺麗に出来上がっているけど、世界が閉じていて、読んでいて悲しくなる」という山形さんのウルフ観と、「デス博士その他の物語」のラストを引き合いに出して「読者に語りかけてるよ。開いてるじゃん」という柳下さんのウルフ観が、対照的。短編一つ一つの読み方も大体正反対な感じで、なんだかその交わらない具合が面白かったです。
途中、それぞれの短編のネタ本の細かい紹介などもしていましたが、なんと言っても印象的だったのは、柳下さんが持ってきたアメリカ産自主制作映画『Doctor Island』。「アイランド博士の死」の映像化作品です。なんか浮浪者みたいなイグナシオに、あんまり美人じゃないダイアン、考えていたより大人っぽいニコラスが登場します。画面は白黒で、正直あまり面白くなさそう。全体で20分ほどあるそうですが、上映5分程で、もういいだろうという空気になったのでストップしました。
あと、以後の未来の文学シリーズの刊行予定なんかも教えてくれました。次回予定は『ベータ2のバラッド』になっていますが、なんか色々あるそうで、先に『グラックの卵』が出るかも、というのと、クリストファー・プリーストの『限りなき夏』が年末になるかも、とのこと。ただ、まぁ、国書予定なのでどうなるかは・・・。
そして、トークショー終了後、サイン会。しかし、僕は間抜けにも『デス博士〜』を忘れてしまい、手元にあるのは読みかけの柳下毅一郎訳の『異形の愛』しかも図書館の本、という状態でした。まさか、これにサインしてもらうわけには・・・あぁ、残念でしたよ。