庭師 ただそこにいるだけの人

庭師 ただそこにいるだけの人

庭師 ただそこにいるだけの人


子供の頃からずっと庭師として働き、それ以外はTVを見ることしかしてこなかった男。
その男が、たった数日で政治界にデビューし、有名になっていく話です。
男自身は、無学で家族も財産も無く、話せる内容といえば庭弄りのことだけ。
なのに、周りの人が勝手に、庭の話を政治・経済の比喩だと誤解し、男を祭り上げていきます。
実はかみ合っていない会話に、急速な物語の展開は、コントみたいで面白いですが、同時に自分も周りも理解し合わないまま自体が進展していく様は、怖さも感じますし、強烈な風刺のようにも読めます。単純な筋なのに、考え始めると色々なものが見えてきます。
ただ、作品自体は非常に短い上、分かりにくいところは一切無ないので、気軽に楽しめるいい作品です。