新耳袋 第一夜

新耳袋―現代百物語〈第一夜〉

新耳袋―現代百物語〈第一夜〉


新耳袋』を読むと、怪談話の怖さというのは本当にそれを聞く状況に左右されるものなのだと実感します。
この本は今日昼から、途中食事やらネットやらを間に挟みながらダラダラと夜まで読んでいたのですが、まず明るい内に読んでいた第一章から五章まではつらつらと何の気なしに読めました。
その後、親やら妹やらが帰ってきてバタバタとしてる中で読んだ五章から八章までも、あまり怖いとは感じませんでした。
しかし、夕飯も終り、暗くなった後一人部屋にこもって読んだ九章から十三章、これが物凄く怖い。特に十二章の「“くだん”に関する四つの話」は小松左京の『くだんのはは』と繋がりが見えてきて気持悪いくらい。
それ以外の話も、明らかに明るい内に読むのと臨場感が違います。読んでいる内にドアの隙間やら窓の外やらが気になって気になって…。
そこまでくるともう、昼間読み終えた話とか思い返して、読んだ時より怖くなったりします。「8ミリフィルムの中の子供」とか「地下室」とかやばいね。


ただ、この「怖い」が本書の中心なわけで、つまりこの「新耳袋」シリーズを味わい尽すには、全作夜中に読むのが一番いい読み方になるはずです。
でも、夜十一時に部屋にこもって読み始めて、終わるのは大体集中しても1時2時くらいか…そんなのできなそうだな…考えるだけで怖い。