シャングリ・ラ

シャングリ・ラ

シャングリ・ラ


池上永一の最新作。
月刊ニュータイプ』で連載をしていた作品のせいか、上下二段分け600pという長さにもかかわらず、話が常にアップテンポ。読んでいると、めまぐるしく動きつづける展開と暴れまわるキャラクターにグイグイ引きずられていきます。
昨日の朝11時から読み出して、飯やら何やらを入れつつもその日の24時くらいに読了。
これだけ長い作品だと、大体いつも2〜3日はかけてしまうんですが、引きずり込まれたまま一気に読まされてしまいました。すごく吸引力のある本です。


いつもの池上理論「女性=強カッコいい、男性=薄い」は今回も健在です。
加えて、新要素として「モモコ」というオカマが登場。たとえ元男でも、女性要素が加われば強くなるらしく、作中屈指の名キャラクターとなっています。
作中にはこの「モモコ」の他にも、巨大ブーメランを振り回す主人公「國子」や経済を支配する少女「香凛」、不死身の女医「小夜子」などアクの強いキャラクターがばんばん登場します。
このキャラクター個性こそ池上永一作品の魅力で、作品を引っ張っていく大きな力です。
ただ、今回、このキャラクター同士の直接対決のシーンが一つ一つちょっと弱かったような気がします。
折角の個性なんですから、もうちょっと思いっきりぶつけて欲しかった・・・。