オルフェの方舟


僕の、私の、上遠野です。
最近の上遠野の何がいけないかって、場面と場面の繋げ方が雑なことです。
登場人物達が何を感じ、何を思い、何故行動するのか、それが最早書けていません。
読んでいると、上遠野の「見せたい」場面場面がポンポンと連ねてあるだけで、
まるで早送りの映画を見ているような感覚を味わいます。
しかし、しかし、僕は上遠野作品とは中学以来の付合いです。
一時は彼の作品に感銘を受けたこともありました。
中学からの7年という月日は僕に「上遠野ツール」という読書回路を与えてくれました。
これは、上遠野作品を読んだ時、その場面場面で登場人物の心境を作者(上遠野)がどう想像していたのかを、書かれていなくても詳細に解析・理解してくれる便利なツールです。
これがあれば、どんなに雑に見える作品(上遠野限定)でも、作者の想像する完全な形で読むことが出来ます。
この短い『オルフェの方舟』も、書かれている内容以上に感じることが出来るのです。


しかし、まぁ、悲しいことにそれが出来たところでどうにもならないんですがね。
早く大人になってくれないかなぁ・・・