ゼミで言えないこと

まだまだゴーチエを読んでいます。
ゴーチエを含め19世紀ロマン派で「若きフランス」と呼ばれていた人たちのことを調べていると、その奇矯な行動や作品制作の大本になっているものは、今の日本でもありがちな若さゆえの衝動なんじゃないかと思えます。酒場でやたらと騒いで周りに迷惑をかけたり、酒の席で突然「東に行って来る」と言ってどっかに行っちゃったり・・・なんだか分かるような気がします。
そんなことを考えてると、「若きフランス」の人たちを風刺したゴーチエの『若きフランスたち―諧謔小説集』なんてのは、そんな自分を含めたグループを自虐半分愛情半分でわざと馬鹿らしく書き出した森見の『太陽の塔』みたいな作品なんじゃないかと思えてきます。
あんがいとフランスの若者の気質って、今の日本に近いのかも。

変化(へんげ) (現代教養文庫)

変化(へんげ) (現代教養文庫)