七人の使者

七人の使者

七人の使者


光文社新訳古典文庫の『神を見た犬』との重複が多くて、
初めは一回読んだ本だったっけかと不安になってしまいました。
そろそろ記憶力の減退が怖くなる年頃ですな。


それにしても、ブッァーティの「長大な時間をかけた徒労」のイメージはやはり何度読んでもインパクトがありますね。
時間をかければかけるほど、友人、恋人、両親…と大切なものをどんどん失っていくのですが、
失えば失うほどそれらに見合う成果を求めてますます降りれなくなっていく、というその展開。
徒労が怖くて徒労をするだなんて、リアルすぎて読んでいると若い僕は前に進めなくなりそうです。怖い怖い。
ただ、この「徒労」をしっかり感じるには、ワンアイディアで終わってしまう短編ではなくて、文字数的にも長さを感じられる長編の方がいいですね。
やはり『タタール人の砂漠』こそ至高。