夏への扉

夏への扉[新訳版]

夏への扉[新訳版]

今更ながら読みました。
なんか誰に聞いても、可愛い姪っ子が「おじ様〜っ!!」って言ってくれるようなおじ様大好きっ子で、勢いあまってコールドスリープを駆使して年齢問題ぶち抜いて結婚しちゃう話だとかなんとか、そんなことしか言わないもんだから、ネタだろうとか、うがった読み方しすぎなんだろとか思いながら読んだんだけど、実際にはやっぱり「おじ様〜っ!!」な話でしたよ。大変結構なことだと思います。

それにしても、作中の「コールドスリープビジネス」はいいですね。
コールドスリープして好きな年代とか任意の条件が達成された時起こしてくれるやつ。
きっと今の日本なんかであったら、みんながみんな寝始めちゃって社会問題になるんじゃないかと思います。
大学4年生が、「就職氷河期が過ぎたら起してください!」とか。
先物取引やってる人が、「金の値段が現在の10倍になったら起こしてください!」とか。
顔がアレな人が、「一重まぶたが美の第一基準になったら起こしてください!」とか。
消極的な自殺者が、「もう起こさないでください!」とか。
みなそれぞれのユートピアを目指して旅立ち、
そしてだれも帰ってこないのでしょう。