ファントム・ピークス

ファントム・ピークス (角川文庫)

ファントム・ピークス (角川文庫)


こういうパニック小説って日本人作家じゃ珍しい気がする。
何が事件を起こしているのか、みたいなところもこの手の話では面白い所なんだろうけど、amazonが親切にも「この商品を買った人はこんな商品も買っています」のところで『熊嵐』とか『シャトゥーン』とかを並べてくれていたおかげで、読むまでもなくその正体がわかってしまった。便利すぎるのも考えものだ。
ただ、そこがわかっていても読んでいて怖いし面白い。
敵意を持った圧倒的な何かが襲ってくるっていう「自然」の怖さに加えて、なんでこんなもんがここにいるのさって原因を探る場面で見えてくる「人」の側のグロテスクさもなかなか凄い。
「正体見たり〜」で終わらない、一冊を通じてダレない作品。