牧神と人

今日は近くの伐採中の森を通りかかったとき、牧神を見ました。下半身が馬で上半身が人間、まさにマッケンが書いていたとおりの牧神です。最近ではめっきり見ることが少なくなった牧神ですが、どうやら作業員と森の領有権に関して言い争いになっているらしく、かなり怒ってました。まぁ、人が誕生する前からいた自分の森を追い出されるんだから、誰だって怒るでしょう。議論は平行線を辿っているようで、いっこうに進まず、そのうちいらだった牧神が作業員のうち何人かをどことも知れぬところへ連れ去っていきました。黄金色の光と共に。多分あの作業員達はもう帰ってこないでしょう。でも、残った作業員達は何事もなかったかのように伐採を続けていました。牧神の人知の及ばぬ力にも驚きましたが、それを前にしても微動だにせずに日常を続ける人々にはさらに驚きました。牧神たちの時代がなぜ終わったのか、その答えを見た気がします。





・・・大嘘です。