香水 ある人殺しの物語

ある人殺しの物語 香水 (文春文庫)

ある人殺しの物語 香水 (文春文庫)



ものすごい鼻を持つ男が人を操るほどの最高の香水を作る話。主人公・グルヌイユが鼻で世の中を見ているような男なので、彼の視点というか鼻点から、いい匂いも普通の匂いも嫌な匂いも世に溢れる匂いが有象無象の区別なく語られます。その様は新世界を見せられているようで新鮮。香りのためにグルヌイユが全く躊躇なく人を殺していくその異常さもいいですが、そんな物語よりもその描写が印象的な作品でした。