となり町戦争

となり町戦争

となり町戦争




昨年だか小説すばる新人賞をとった作品です。ある日公共事業として町同士が戦争を始めるけれど、表面上戦争している様子はないため、実感がまったくないまま、ただ戦死者数やその進展が町の新聞や掲示板によって伝えられるだけ。と、そういう感じの宣伝文句でした。なので、「かめくん」みたいなものなのかな、と思って読みました。最初はそんな雰囲気でしたが、話が進むにつれてどんどん戦争との距離が縮まっていき、最後には敵の工作員から逃げたりしてました。平坦な日常の雰囲気台無し。主人公は意識の上ではずっと実感がないって言っているんですが・・・もっと日常と戦争の距離を縮めずにうまく進めてほしかったです。多分、「かめくん」を頭において読んでいた僕も悪いんだろうけど。
あ、あと、テーマが非常にはっきりしていたので、「現代人の戦争に対する現実感のなさを〜」とかなんとか言って褒めたり批評したりしやすい作品だと思います。