ランクマーと二剣士

二剣士シリーズ中唯一の長篇にして20年以上も読者を待たせつづけた小にくい奴です。
内容は・・・これぞ、ファファード&グレイ・マウザーだ、という作品でした。ライバーも熟成した後期に書いた作品なので、何が自分の作品の特徴なのかをよく心得て書いている気がします。ファファードとマウザーのウィットの利いた会話、悪辣な人々、酒と金と女・・・あぁ、なんともかっこいい。
しかし、その中でも異様に目立っていたのは、主人公達が口説き落とす女性たちでした。黒人風の風の妖精、半分鼠の血が混じった獣女、頭の毛から身体の毛まで全て剃ったつるっぱげの侍女、骸骨のような容貌の屍食鬼女と、バリエーション豊富とか以前にまともな女性が一人もいません。それなのに、ファファードもマウザーも平気で彼女らに盛ってます。作者のライバーが遊び屋だとは聞いていましたが、こんなにもフリーな性意識を持っていたんでしょうか・・・彼の生活が気になるところです。
ところで、二剣士シリーズは今作を合わせた5巻分で全部訳されたのかと思っていたら、他にも『氷の魔法と二剣士』、『光と影の二剣士』などあるそうです。機会があったら読んでみたいところですが、多分翻訳はされないでしょうね・・・。