道徳のビデオ

先日雑記に書いた道徳の教育指導案は無事に提出ができました。その指導案で生徒に何を教えるかは、道徳の指導要領の中から選択できるらしかったので、「正義感」とか「愛国心」とか「平等」などといった常日頃の僕がまず使わないような言葉の中から「郷土愛」という比較的抵抗感の薄いものを選択しました。提出が遅れてしまっているので、丁寧には作りました。それでも、自分の作った指導案が効果があるなんて思えないですけどね。
まぁ、指導案が完成したのはよかったんです。ところが、その提出日に、授業で道徳のビデオを見せられました。中学校とかで見せられるアレです。内容は、教師になる人用の物なので、教師の視点から作られています。新米の道徳教師が、失敗を乗り越え、問題のある生徒と心を通わせたりして、さらにすばらしい道徳の授業ができるようになる、という話です。放映時間30分。しかも、運悪く先生が隣にいるから寝ることも出来ない状態。はっきり言って苦痛でした。映画『アダムスファミリー2』で子供たちが監禁されて、ディズニー映画を見せらるシーンみたいな感じでした。
ビデオにでてくる人たちはみんな道徳の教科書から抜き出してきたような、生の人間とは思えないような奴等です。そんな彼らの中で、「親の事故」とか「授業の失敗」とか事件が起こり、全てが道徳によって解決されていきます。道徳教育に信頼を持っていない僕は、物語の展開から人物一人一人の発言に至るまで信用できませんでした。中学のときのそんなわけないじゃないか、と思いながら見ていたものそのままです。果たして、日本の道徳教育が5年前からまったく進歩していないのということなのか、それとも、五年も経ったのにいまだにそれを信じられるほど僕が成長していないということなのか・・・いずれにしても気の重い話です。