2005-08-30 鏡の影 小説読書生活 鏡の影作者: 佐藤亜紀出版社/メーカー: 新潮社発売日: 1993/10メディア: 単行本この商品を含むブログ (1件) を見るばたばたとした喜劇のような展開といい、実在の歴史上の人物や出来事を話の中に織り交ぜる手法といい、この前読んだ同作者の『バルタザールの遍歴』と同じような話です。どうも主人公のヨハネスがメルヒオール程毒が無いので、ちょっと語りが勢いに欠けました。最後の弁論対決のシーンとかはカッコよかったんですけどね。 ただ、話自体が『バルタザールの〜』より難解で、最後まで読んでもどうも話の表面だけを見ているような感じが消えませんでした。実際、この話のタイトルが何故『鏡の影』なのかも分かりませんでしたし・・・。 でも、読み解きたいと思う一方で、これを再読するなら『バルタザールの〜』の方がいいな、とも思います。