金春屋ゴメス

金春屋ゴメス

金春屋ゴメス


第17回日本ファンタジーノベル大賞受賞作。
日本から独立を果たした「江戸国」が存在する近未来が舞台。鎖国体制をひく江戸国に300倍の難関を潜り抜け入国した大学生・辰次郎は、泣く子も黙り大盗賊もびびる町奉行・金春屋ゴメスの元に就き、江戸を脅かす疫病「鬼赤痢」の謎を追うことになる・・・
という変わった設定なのですが、それにしてはなんだか中途半端な印象の作品でした。
表紙から、携帯電話やら時計やら文明の利器が入り込んだ面白おかしい江戸を想像していたのに、作中では鎖国中の江戸は、文明レベルも江戸時代のまま。金春屋ゴメスという強烈なキャラクターもいるにはいるけど、名前以上のインパクトはありません。現代の日本の若者と江戸というズレもあまり深く掘り下げてるとは言いがたく・・・一応、話はまとまっていましたが、意表を突かれたり、新しい作風を作り上げたりしてはいませんでした。
どうも、この賞らしくないなぁ。何か読み落としがあるのかな。