渇きの海


どっかの誰か曰く、
イルカの出てくるクラークは悪いクラーク
イルカの出ないクラークは善いクラーク
らしいので、イルカの出ないこの作品は善いクラークなんでしょう。
月に人が降り立つ前の時代には、「月の表面は小さな塵に覆われて海のようになっている」という仮説があったらしく、本書はその説に基づいて書かれています。
無論、今では間違いであると分かる設定ですが、それが信じられていた当時のことを思って読むと、未だ現実の技術が到達していない普通のSFを読むのとはまた少し違った味わいがあります。
1960年代にこれを読んでワクワクした人なんかが今読むと、ノスタルジーで泣いたりするのかも。