百年の孤独

百年の孤独 (Obra de Garc´ia M´arquez)

百年の孤独 (Obra de Garc´ia M´arquez)


とある一族の誕生から、繁栄、そして衰退までの100年間を描いた小説。
かなり長めの作品ではあるが、膨大な時間を詰め込まれているため、異様に密度の濃い感覚を覚えます。
物語の中に描かれる人生や一族の運命の中には、多くの結婚や誕生がありましたが、読んでいて心に残っていくのは、人の死や一族の衰退などといった「別れ」の場面です。
生まれたときは新たな登場人物の一人でしかありませんが、その成長や心情を読んできて自分の中で厚みを増した人物の死の瞬間というのは、やはりとてもとても悲しいものがありました。それが、100年も続くので、読み進めるにしたがって息苦しくなってきます。最後のページが迫るに従い、1人1人と一族が死んでいき、ふと残させているのが閑散とした屋敷に気付いた瞬間に、嘗ての各々の不和や不安はあれど賑やかだった過去がフラッシュバックし、物語の中の郷愁を感じてしまいます。
なんとも、重い。寂しい。