有頂天家族

有頂天家族

有頂天家族


久しぶりに、仕事終わりに電車に乗りながら読んでも眠くならない本でした。
森見の本は、なんていうか、読んでいて元気になれるね。それぞれ悩みは抱えていても、どこか暢気な人物像。敵役がいても、間抜けで人間くさくて、どこか憎めず、それなのに、物語の盛り上がりはしっかりある。話の筋も人物関係もただただ王道だけれど、森見の文章の調子は王道を巧く飾り立て、「ありがち」だなんて思わせないし、尚且つ王道ゆえの安定感も持っている。
笑って泣いて、ひたすらに「面白い、面白い」と思いながら読んでしまった。まさしく、「面白きことはよきことかな」。