怪人二十面相

([え]2-1)怪人二十面相 江戸川乱歩・少年探偵1 (ポプラ文庫クラシック)

([え]2-1)怪人二十面相 江戸川乱歩・少年探偵1 (ポプラ文庫クラシック)


 一流の探偵や怪人ともなると影武者の一人や二人別宅に用意しておくことくらい当たり前らしい。
 明智探偵と怪人二十面相の対決は、子供向けの小説らしく分かり易くて古典的な手段の騙し合いなんだけれど、数ページの間に二転三転四転五転して、とにかく密度が物凄い。特に彼ら二人の初顔合わせは、『はじめの一歩』的に言うと、間柴VS沢村戦の第一ラウンドくらいドキドキした。
 そういえば、明智怪人二十面相説というものがあるらしいのだが、この二人の思考とか手段って確かにすごい似ている。挑戦を受けたら真っ向勝負なところとか、替え玉変装大好きなところとか。推理小説みたいに、探偵は探偵、犯人は犯人っていう感じに、性格ややり口が分かれていなくて、どこが似た者同士が立場の違いから戦っているようだった。戦闘民族サイヤ人同士の争いみたい。