からくりアンモラル

からくりアンモラル (SFシリーズ Jコレクション)

からくりアンモラル (SFシリーズ Jコレクション)

そして、続けて同作者の『からくりアンモラル』を読む。
『姫百合〜』よりもSF寄りの作品を意識して集めた短編集。だけれど、百合も縛りも相変わらず結構な割合で出てくるのが素敵なところであるし、多分僕自身もそれが読みたくて読んでいる。
中でも面白いのは、「あたしを愛したあたしたち」や「一卵性」、「レプリカント色ざんげ」。それぞれ、タイムスリップものに双子ネタにアンドロイドにと趣向は違うが、自分と自分が絡んでいて、SEX(同性愛のそれをそういっていいのか分からないけど・・)なのに自慰と変わらなくなっている情景が出てくる。感慨深くなるというか、まだまだ性欲は多種多様で奥が深いものなのだと実感させてくれる。何度も出てくるということは、作者も好きなテーマなのかもしれない。いろんな意味で。